jarinosuke blog

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FREEを読んですっきりした「無料」の経済。

フリー~<無料からお金を生み出す新戦略>を読み終えた。

この本を買った理由はただ単にベストセラー(笑)みたいな流れでamazonでも一位になっていたので、買っただけ。
なので、「読みたい!」って気持ちでもなく、年明けに購入してから今まで放置してきた。
だけど、買ったからには読まないともったいないし、読むからには何かしらの役に立てたいし、立ちたい。
ということで、この本を読む前に私が「無料」について疑問に思っている事を挙げ、それについての答えをこの本を読みながら探し、それをブログに書くことに決めた。
では以下に、私が疑問に思っていた点を挙げる。

1.無料のビジネスモデルの体系的理解
商品を無料で提供するビジネスモデルについて、「広告を使う」など断片的には知っているがイマイチ体系的に理解してないなー。
2.無料化による業界の衰退
映画や音楽、ソフトウェアなどクリエイティブなものに対してお金が流れないとその産業がどんどん衰退していってしまう。どうするの?
3.無料による共産主義
今でもそうだが、これからの時代ますますデジタルコンテンツはYoutubeなどのようなものを用いて、無料で何もかも楽しめるようになっていく。全てのものがデジタルになったとき、お金の概念ってどうなるの?共産主義みたいになっていくの?
4.無料に関する不合理な選択
そもそも全く同じ質の商品があって、無料のものと有料のものがあるときに合理的に考えて人は前者を選択するはずなのにそうでない場合もあるのはなんでだろう?

では以下に上記に挙げた疑問点を、私がこの本を読んで得た知識をもとに考えていく。
少し長くなるが、一つでも私と同じ疑問を持っているならばその数字だけでも読んでもらえると幸せである。


1.無料のビジネスモデルの体系的理解

ではまず初めに、本書で題名としても扱われているフリーについて説明しよう。この本では「費用からの自由」という意味である。
そのため、このフリーは消費者の注意や関心を引く。
このフリーを用いたビジネスには大きく分けて4種類あるが、それらは一つの概念を基本としておりまずはその共通部分をみていく。

内部相互補助の世界「There's no such thing as a free lunch」
一言でいうと「この世にタダのランチはない」である。要するに、「タダなんてものはなくて、もしお金を払わないでものを手に入れたら、それは誰かがケツを拭いてくれている」ということ。
ではこの「ケツの拭き方」にも4種類の方法があるのでそれらを見ていこう。



a.直接的内部相互補助
あるものを無料かそれに近い値段にし、それで客を呼んで、健全な利益を出せる他の魅力的なモノを売ろうとする行為。
例:スポーツクラブの無料体験、アップルストアで開催する無料教室
b.三者間市場
もっとも一般的なフリーのかたち。二者が無料で交換する事で市場を形成し、第三者が後からそこに参加するためにその費用を負担する。
例:メディアによる広告商売
c.フリーミアム
フリーミアムとは造語であるが、ウェブの世界ではこの商売を目にする機会は山ほどある。
有料のプレミアム版と、それに対していくつか機能やアップロード容量などが規制された無料版があるサービスがこれにあたる。
今ブログを書かせてもらっているはてダもその一つである。
例:Skype(無料電話)
d.非貨幣市場
4つ目のこれはお金こそ動いていないが、評判や関心などが無料と引き換えに動いている。「はてなスター」をもらうために日記を書いている、なんていうのもこれにあたる。
例:MITのオープンコースウェア




このようにフリー経済は大きく分けて4つに分かれている。
その中でも特にbとdについてはウェブの発展に伴いここ数年で顕著になってきている。


残りの3つの疑問については、まだ整理しきれていないのでいずれ書こうと思う。(時間がないだけ)